ホーム > すぐきは3大京漬物です
千枚漬け、柴(紫葉)漬けと並び人気を博する3大京漬物の1つであるすぐき。実は材料であるすぐき菜(カブの一種)の種に始まり、室(むろ)と呼ばれる窯にある乳酸菌まで、各農家さんが門外不出で継承されています。つまり、味は1軒1軒異なり、それを代々にわたって守り続けてきたものなのです。とり山本店では、クセは少なく奥行きある味わいで評判の上賀茂の農家さんと専属契約ですぐきをご用意しています。
簡単に製造工程を紹介いたします。
すぐき菜の栽培は上賀茂を中心に京都市内の北部で行われ、気温の変化に合わせて北から順に収穫。すぐに面取り、皮むきを1本1本手作業で行い、下漬けとして細かく濃度を調整した塩水の中につかってすぐき菜はしばしの骨休め。
次に天秤と呼ばれるテコの原理を生かした重しで圧力をかけて、余分な水分を抜く工程へ進みます。この間、作業は同じ建屋内で行われ、手順よく慣れた手つきに無駄はありません。すぐきには省いてよい工程はなく、また機械が代行できる作業がないため、生産者さんが自らの手で愛情を込めて、農閑期の仕事として古くから取り組んできたというわけです。
そしていよいよ最終工程で味を決める室へ入ります。そこは冬場でも40度を越える気温が保たれていて、その室独自の乳酸菌によって発酵が進み、ほどよい酸味をここで纏います。
重石を乗せるのは漬物と同じですが、主として行われているのは発酵という作用。この発酵成分が胃腸に優しい効用を持ち、病気の予防に役立つことも実証されています。
こうして味わい風味はもちろん、効能も手伝って京都の正月には必ず食卓に並ぶ冬の風物詩として定着したわけです。
すぐきの歴史は300年とも400年とも言われています。伝統を守り続ける作り手の想いは、家族の健康を守る想いへ。ぜひご賞味ください。